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2009-05-05

【過去記事】日本の適正人口はどのくらい?

今日はこんな記事を読みました。

28年連続で減少=子どもの数、1714万人-総務省
5月4日17時26分配信 時事通信

ココログに引っ越してくる前にLovelog (DION) の方でブログを書いていたんですが、引っ越してくるときにデータをうまく移行できませんでした。こっちに引っ越してきてすぐの頃は少しずつ記事を移動させようとしていたこともあったんですが、面倒くさくてやめてしまいました。今回は久しぶりの移植記事です。

少子化については引越し前のブログの【読書】カテゴリで何回か記事にしたことがあったのを思い出したので、少し長いですが加筆・修正しながら移植してみます。

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今日は平成19年12月26日、水曜日。

前に読んだ『人口減少社会の設計』と一緒に買った本です。

『論争・少子化日本』
川本敏 編 中公新書ラクレ 2001年

少子化に関する論文を集めたものです。肯定派・否定派両方の論文が掲載されています。ただ、ちょっとデーターが古いですけどね。現在の日本の合計特殊出生率は1.32です。(2007年6月6日発表。ちなみに1999年の合計特殊出生率は1.34でした)

これでも6年ぶりに上昇した数値ということですから、かなり急激に少子化が進行しています。(2008年発表の合計特殊出生率は1.34を回復していたようです。これは団塊ジュニア世代の出産が一時的に影響していたようで、今後は再び低下に転ずると思われます。平成21年5月5日加筆。)

自分は地球の人口は多すぎると思っているので、少子化の進行には反対ではありません。しかし短期的に見れば労働力の減少による経済活動の停滞などの問題が出てくるので、小人口安定社会を構築する前にこういった問題を何とかしなければならないとは思っています。 地球上の資源は有限ですから、世界経済が右肩上がりで発展していくことは残念ながらありません。最近ではアニメーション作品にも登場する話題ですが(『機動戦士ガンダム00』、平成21年5月5日加筆)、どこかの時点で必ず資源の奪い合いに発展します。そういう紛争を避けるために、世界人口は少なくしていく方向に誘導する必要があるだろうと思うんです。経済を最低限維持できる人口を確保しながら、ソフトランディングを目指すわけです。「適正な人口」というのがあるはずなんですね。

しかしながら、これまで人口減少に関する文章をいくつか読んでみて気がついたのですが、その考察の多くは人口を増やす方向でのみ語られています。そして人口を増やすにしてもどの程度の人口まで増やせば適当なのかということについて語られていません。このあたりが不満に感じるところなんです。

では、日本の適正な人口っていうのは一体いくらくらいなのでしょうか。 今回読んだいくつかの論文の中で、食糧自給の観点からみて日本の適正人口はおよそ3000万人であるというものがありました。(「少子化ニッポンは「農園都市国家」をめざせ」 高橋秀之 日本大学教授) 幕末の総人口がだいたいこのくらいです。ただし、これは食料完全自給の場合ですから、実際にはもう少し多くても大丈夫なのではないかと思います。

この前読んだ『逆説の軍隊』の中で、「戦争のラチェット効果」という用語が出てきました。国家財政の規模は戦争のたびに大きくなり、戦争が終わっても元に戻らないという説です。そしてこの説は人口についてもあてはまるのではないかということでした。

幕末に3000万ほどだった日本の人口は、日清・日露戦争を経て大正元年(1912年)には5000万を超えています。45年で7割増しです。かなり急激な変化ですね。

昭和20年(1945年)、日本の総人口は約7000万人でした。それが3年後の昭和23年(1948年)に8000万人、11年後の昭和31年(1956年)には9000万人を超えています。海外からの引揚者の流入という特殊事情を考慮したとしても異常な人口増加です。

そして敗戦から22年目の昭和42年(1967年)、日本の人口は1億人を超えました。この年は大正元年から55年目にあたりますが、約半世紀で人口が倍になったわけです。ラチェット効果の発動かどうかはともかく、かなり不自然な増加のような気がします。これでは食料自給率の増加が人口増に追いつくわけがありません。

現在の日本の人口は近代化の過程で短期間に急増したものですから、急激に減少することもまたありえます。平均寿命から考えれば、ある時期に大量に生まれた人口は、ある時期に大量に減少することも予想されます。現代の日本は、戦争遂行と敗戦後の復興のために無理矢理かさ上げされた人口を適正な数値に戻す時期に来ているのかもしれません。個人的な意見を言えば、5000万人~6000万人くらい(つまり大東亜戦争以前のレベル)の人口が適当なのではないかと思います。 食料自給率50%程度ですね。

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最後の「食料自給率50%」の部分には、実は根拠がありませんでした。幕末の時点での総人口3000万人を100として、6000万人ならば50であろうと単純に書いてしまいました。しかし、その数値にはその後の農業生産性の上昇というものが考慮されていないので、実際にはもう少し食糧自給率は高くなるはずです。

冒頭に出した時事通信の記事にはユーザーのコメントがつけられるようになっているんですが、まさに自分と同じようなことを考えている人もいるようです。政府は人口を増やせというが、どれだけ増やせば適正なのか。政府はその数値を国民に示すべきだと考えます。日本に国家戦略というものが存在するならば、日本政府が我々国民の問いに答えることは難しいことではないはずですから。

ちなみにソースは忘れましたが、昭和13年(1938年)に厚生省が設置された際、昭和30年(1955年)の日本の総人口を1億人と計画していたようです。満州、朝鮮などの支配地域を含む日本の国土を防衛するために、最低限それくらいの人員が必要であろうという試算です。厚生省というのはもともと計画的に人口を増やすための機関でもあったんですね。それもひとつの国家戦略だったんです。

現在の厚生労働省は旧厚生省の持っていた戦略の内容をすっかり忘れてしまっていながらも、形だけは守り続けているのではないでしょうか。時代が変われば戦略も変わるんですから、これまでとは違う選択肢も考えてもらいたいと思います。

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