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2009-02-01

【読書】回復力

数日前に読んだネットの記事で経済学の中谷巖先生が懺悔してらっしゃいましたが、そのインタビューのなかで「日本は米国についで貧困者に冷たい国」と述べられていました。しかしながら、アメリカの破産法などは日本に比べると遥かに緩やかな内容のものですし、実力主義のアメリカ社会においてさえ敗者を必要以上に追い込まない仕組みが存在します。そう考えると先生のご認識は残念ながら甘いといわざるを得ず、日本は事実上、「世界で最も敗者に厳しい国」というのが妥当だと思われます。

『回復力 失敗からの復活』 畑村洋太郎著 講談社現代新書 2009年

畑村先生といえば「失敗学」。失敗とどう向き合うかというお話です。おいらは近代日本政治史で卒論を書こうと考えているので帝国日本の失敗について考えるのは避けて通れないわけですが、参考になりそうな本でした。

失敗した人っていうのは、すぐには立ち直れません。どんなに強い人でも動転して間違った判断や行動をしたりするというのはよくわかります。そういう状態の時に無理に力を出そうとするのが如何に危険かということも。

おいらもしばらく立ち直れなかったことがあります。何とか命だけは失わなかったけれども、社会的に死んだも同然でした。再び何とか歩き出せるまでには10ヶ月の時間が必要だった。その間、おいらは雨戸を閉め切った部屋で、昼も夜もわからない暗闇の中で過ごしました。

以前書いていた他のブログで、たまにいじめ自殺などに関する記事を書いたことがありましたが、おいらはそのたびに「つらかったら逃げてしまえ、携帯なんか捨ててしまえ」と書いてきました。おいらは間違ったことは書いていないと確信していましたが、それでも心のどこかで「そんなことを書いていいのだろうか」という思いもあったんです。しかし、同じようなことを考えてくれている人がいて本当によかった。苦しんでいる子どもたちに対して「逃げるなイジメと戦え」なんていうのは、「死ね」と言っているようなものだとおいらは思っているんです。

確かにハードルを乗り越えることは大事なことだと思いますが、あまりにも高いハードルは乗り越えることができない。そして、乗り越えられるハードルの高さは人によって違うんです。人に対して「頑張れ」というのは悪いことではない。しかし、その言葉は「手伝ってあげるから一緒に乗り越えてみないか」という意味か「人に頼るな、自分で何とかしろ」という意味かで内容が大きく変わってきてしまいます。その言葉は、人の命を奪うのに十分な言葉なんです。

回復力~失敗からの復活 (講談社現代新書) Book 回復力~失敗からの復活 (講談社現代新書)

著者:畑村 洋太郎
販売元:講談社
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