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2009-01-27

【読書】アベンジャー型犯罪

去年は100冊読書の目標を達成できませんでしたが、本は今も読んでます。
記事にする時間はなかなかありませんが。

『アベンジャー型犯罪 秋葉原事件は警告する』
岡田尊司著 文春新書 2009年

「アベンジャー」とは復讐者のことです。社会から阻害された者が、その孤独や怒りを社会に転嫁し、無差別的な犯罪に向かうということ。

こういう犯罪の発生は、その犯罪を犯す本人の個人的な資質によるところも大きいですが、本書で述べられている通り周囲の環境による影響も無視できないものだと思います。ゲーム等バーチャルな世界が若い世代に対してどのような影響を与えているかはまだよくわからないところも多いですし、さらに研究の余地はあろうかと思いますが、自分も概ね著者と同じような意見です。「共感力の崩壊」という点についてはブログで何回か記事にしたことがありました。

本書を読んで何よりショックだったことは、自分自身がこういったアベンジャー型犯罪者と共通する要素を持ち合わせているということでした。人と通じ合うことが少なく孤独な少年。アベンジャー型の犯罪者に共通するいくつかの資質的な条件や環境的な条件が挙げられていましたが、自分にも当てはまる部分がかなりあるんです。

しかし、自分は人を殺さなかった。辛うじて自ら死ぬこともありませんでした。若干壊れてしまってはいるけれども。彼らと自分の間で一体何が違うのか、はっきりとはわかりません。ネットやゲームのない世界に生まれて育ったというのも、ひとつの要因だったのかもしれない。自分が子供だった頃、日本はまだ今ほど過酷な市場原理の働く社会ではなかったということもあるのかもしれない。

以前、このブログでも市場原理主義の社会を「持続不可能社会」と表現したことがありましたが、この本の著者も同じようなことを考えているようです。ただ、現在の日本の状況を変える方法として著者は国産品の積極的な購入を推奨されていますが、その点については実現がかなり難しいと考えます。例えばパソコンでも家電でも、ちょっと中身をのぞいてみればわかりますが、もう部品単位で外国製品が流れ込んでいるんですね。国産品を買ったと思っていても中身は外国製品で構成されていたなんていうことは、今では当たり前のことになってしまっているんです。コンビニ弁当もそう。国産の食材なんてほとんど入っていないのが現実です。国産品を買いたくても、我々には選ぶことができないんです。国内製品を守るために海外製品に高い関税をかけることも現状では非常に難しいと言わざるを得ません。そんなことをすればたちまち世界から孤立し、まさに鎖国状態になってしまいます。

それでも、アメリカで行われているような地域コミュニティ復活などの取り組みはやらなければならないという部分については賛同します。デストラクティヴ・イノベーションというやつです。些細なことでも何か始めなければ、日本は本当に崩壊してしまう。

皆さんはタロットカードの「悪魔」のカードをご覧になったことがあるでしょうか。悪魔の姿とともに人間の男女が鎖でつながれている様を描いているのが、このカードの一般的な図案です。我々には、この悪魔の鎖から解き放たれる術は本当に残されていないのでしょうか。

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