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2008-04-13

【読書】1960年代の東京(14/100)

写真集なんですけどね(笑)
年間読書100冊っていうのが目標だったんですけど、今年はちょっと達成が難しそうなのでこういうものも含めることにしました。
*懐かしいんですが、関東大震災の年を1937年と記載するなどの不備があったりします。恐らく大正12年と昭和12年を間違えて、それをさらに西暦に直したことが原因と思われます。編集のレベルは低いので、写真だけ楽しみました。)

1960年代の東京 路面電車が走る水の都の記憶 
池田信(写真) 松山巖(解説) 毎日新聞社 2008年

2年くらい前に、不思議な夢を見たことがあります。
大きな川に橋が架かっているんですが、見覚えがない橋でした。道路の上には路面電車かトローリーバスの架線がかかっていて、なんだか外国の街みたいでした。

今回この写真集を見て、なんとなく記憶が甦りました。
夢の中で見たあの橋は、多分、小さい頃に住んでいた街の近くにかかっていた相生橋だったんだと思います。自分がその町に住んでいたのは、1970年代の初頭でした。その頃はまだ、今回見た写真集の風景が残っていたんですね。

おいらは、故郷を失った人間です。
今住んでいる土地だって随分子供の頃から住んでいるんですが、どうしても自分の故郷とは思えない。自分の故郷はやはり小さい頃に住んでいた東京なんです。しかし、それはもう写真でしか見ることができない、その当時その街に住んでいた人たちの記憶の中だけに存在する街です。

小さい頃、隅田川には大小の船が浮かんでいて、そこに住んでいる人がいたりしました。運河も、今よりもたくさんあったと思う。道路には都電が走っていて、よく母親に連れられて銀座の三越に行きました。写真の中の風景は、今はもう遠い外国のようです。二度と帰ることができません。面影すら残っていない。

東京はかつて「東洋のベニス」と呼ばれていました。「ベニス」っていうのは、ヴェネツィアのことですね。例の、水の街です。最近もヴェネツィアが舞台になっているアニメ作品がありました。(まぁ、別の惑星の「ヴェネツィア」なんですが) 
東京はといえば、残念ながら水路を埋め立てて道路にしてしまいました。戦後の瓦礫の処理のために仕方がなかったということもあったようです。それはまぁ、しょうがなかったのかもしれません。景観に配慮する余裕はなかったんでしょう。(できれば東京湾の埋め立てに使ってもらいたかったですが)
しかし、それにしても日本橋の真上に高速道路を通した設計者のセンスを疑う。

自分は、たまに想像することがあるんです。
戦争が起こらず、瓦礫で埋め立てられることもなかった東京の運河。イタリアのヴェネツィアのように水路が整備され、観光客で賑う東京の姿を。自分が決して生まれてくることがなかったであろう、その街の姿を。

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